一般社団法人日向青年会議所

第59代理事長 中窪康太

【はじめに】 

2013年9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたIOC総会で2020年、夏季

オリンピック、パラリンピックの開催地が東京に決定しました。7年経過した現在、オリンピックは開催されておらず災害の対策に追われている渦中にいます。その理由は、2019年11月に中華人民共和国武漢市付近で発症した新型コロナウイルス感染症が確認され、その後、コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)を引き起こし日本のみならず、世界での危機的状況に陥ったからです。一年の延期を余儀なくされましたが2021年に開催されるかも定かではありません。新型コロナウイルスを起因とするパンデミックは、人類のあらゆる尊厳を脅かし、世界規模で社会的、経済的、そして政治的危機を引き起こしながら、依然として私たちの生活 に甚大な影響を与えています。日向青年会議所も活動に大きな影響を受け、メンバー皆様の社業、日常生活でも支障をきたす事態が起きています。昨日までの日常が失われ、混沌とした空気が蔓延し誰もが不安になる時期、時代ですが、何か一つでもできることはないのか自問自答し一歩一歩前へ歩んで進んでいきたい所存です。しかしながら、一人の力では到底クリアすることができず、前に進むことが困難で壁にあたる時が必ず来ると思います。しかしそのような事態に陥っても、皆で力を合わせて知恵を振り絞り、困難に立ち向かっていける環境づくりと人材の育成に力を入れ、この地域を盛り上げ、少しでも人の心が動かせるような取り組みが出来ればと考えます。また、私たちはなぜ青年会議所活動に時間を費やすのかという問いに立ち戻った際に、青年会議所という仕組みを通じて、自らの地域を、社会を、自身が守るべき者のためにより良く変えていくという活動の本質的な大義を、一人ひとりが胸を張って語れるよう努力致します。また、活動を通じて、誰一人として取り残さず皆で成長する日向青年会議所を目指します。

『次世代に繋ぐ想いを子供たちと共に』   教 育

年月が進む速さは年々早く感じます。現在社会は、情報通信技術の進展、交通手段の発達による容易な移動、市場の国際的な開放などによって、様々な分野でデジタル化やグローバル化が起きています。国内でも、2020年から小学校における英語教育の必修化に象徴されるように、グローバル化を意識した人材育成は加速しています。経済協力開発機構(OECD)の調査ではオンライン教育に関して日本は最下位と位置づけされているのが現状です。コロナ渦は日本の教育分野におけるデジタル化の遅れを露呈しています。現在、日本の教育は日本の社会の中で生き抜くことを前提とされていますが、教育においても、日本にとどまることなく世界化していかなければならないという危機感を持たない限り、教育レベルは世界の中での相対的な低下とともに、国民のレベルの低下につながると思います。答えがある時代の教育から、答えのない時代の教育への変化が必要と考えます。コロナ禍だからこそ見えてきたものもあり、WEBを活用した勉学や会議です。会場に中々行けない状況にある中、WEBを活用し足を運ばなくてもリモートにて参加できることで時間を活用し様々なことにチャレンジできます。時間は流れ止まることはしてくれません。限りある時間を有効活用して、日向市のために、そして子供たちのために全力で学ぶ場の提供に取り組んでいきます。そのためには日向青年会議所のメンバー全員が様々なことにチャレンジし学ぶこと、インプットにとどまらずアウトプットを重ね、理解の強化やさらなる視点の獲得につなげてまいります。また情報社会化が進みスマートフォン普及やインターネット環境が整いつつあり、子供たちが使用することによって犯罪に巻き込まれ、いじめの原因になった事例も少なくありませんでした。生活を便利にするはずのものが逆にトラブルの原因になってしまうのは使い手が未熟であることもありますが、相手を思いやることができていないのが原因だと私は考えます。道徳心の欠落、または勉強不足が懸念されるのではないでしょうか。私たち大人には、子供たちを様々な脅威から守り正しく育成する義務があります。2021年度は、子供たちに夢や希望、そして人に対する思いやりの心を育んでもらうための体験学習等を行ってまいります。

『SDGs『Sustainable Development Goals』(持続可能な開発目標)の推進』 発信

 SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟国193ケ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標で、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。その目標に対して、日本で一番SDGsを推進している団体はJCです。それによって世界の青年会議所も注目しており、今やJCIにおいても日本のSDGsの推進事例は注目を浴びています。2020年は日向青年会議所でもSDGsを発信する運動を行いました。2021年度もその運動も継承しつつ、今後はSDGsの視点から考えるコロナ対策に関する運動をオンラインなどの技術を駆使して展開し、更なるプレゼンスを高めて皆と共有していきます。

『共に永遠に同志である』  会員拡大

 2021年は会員数12名のスタートです。2020年度は17名、その中の5名が卒業しました。 私が入会したのは2014年、当時は13名在籍という状況の中、ここ数年で大きく会員数を伸ばしております。青年会議所では修練・奉仕・友情の3信条から成り立ち、地域の課題を自ら発掘し、自らの手 で解決策を模索し、政策の立案、実行までを行う組織であるが、一番大切なことは友情だと私は思います。議題を揉み、奉仕し完遂した時に仲間がいなければ成しえることはなく、力を合わせて成しえた時、その仲間の顔が最高の幸せと感じます。どんなことがあっても信頼してくれる仲間、困難な道に、状況に陥っても手を差し伸べてくれる仲間が日向青年会議所にはいます。これも偏に、日向青年会議所の歴史を創っていただいたシニアの先輩方なくしてはないと思っております。2021年は創立59年、先人たちが積み上げてきた59年の歴史を振り返り、私たちが過去から積み上げてきたものを整理して、いつの時代にも常に振り返ることができる環境を整備する必要があります。会員減少傾向にある中、青年会議所に入ってもらうためには、現在の変化を積極的に受け入れ、過去の延長線の対策ではなく柔軟かつしなやかに、デメリットに対するレジリエンスを身につけ向上させること、また、日向青年会議所の存在意義を明確にし、地域を良くしたいと思う同志を集い、一生の友とともに地域貢献に努めてまいります。

【結びに】

 様々な組織が乱立する時代にあって、青年会議所という組織だからこそ、社会、地域の問題点に対して純粋な気持ちで、取り組むことができます。この組織の変えてはならないことは、常に実現に向けた道筋を見定め、そのためのアクションを起こし続けることだと考えます。

私が日向青年会議所に入会して7年の月日が流れ、本当に貴重な経験をさせていただいております。この会に入り一番素敵なことは、人との出会いだと感じます。人と出会い学び、議案と向き合い学び、入会してからは毎日が勉強です。これらの全が貴重な経験で将来の糧となることを信じ、先輩諸兄をはじめとするメンバーの皆様と出会い、そして、この会を通じていただいた全ての皆様との出会いに感謝し、第59代理事長の責務を全う致します。 

人類は無限。だからその未来は無限。

だから、まだまだお互いに進歩し続けなければならないのである。

松下幸之助の言葉より抜粋

未来を切り開く力をつけるために仲間と切磋琢磨できる魅力ある日向青年会議所であり続けることを願って。

【スローガン】 刻石流水(こくせきりゅうすい)

~受けた恩義はどんな小さくても心の石に刻み、施したことは水に流す~

人から受けた恩は、その人に返すのみならず、より多くの人に施すこと

そして自分が施したことは、その瞬間に忘れること。

【テーマ】 成長しよう 皆と共に